先日、イチゴの高設栽培の設備を見学させてもらいました。普段は見学ツアーなどやっていませんが、試しに尋ねてみると私だけ特別に許可をもらえました。
訪れたのが冬だったため、御覧の様に、イチゴは抜かれ、土だけがある状態でした。
全体的に白くて分かりにくいかもしれませんので、手前の写真を使って説明します。
まず単管パイプという工事現場でよく使う鉄のパイプが高設栽培の基礎になります。左端の真ん中から右下に伸びている長い棒2本のことです。
高設栽培の設備にはいろいろありますが、今回の施設では発泡スチロールの中に土を入れ、それを単管パイプが支えています。
一番手前は土をアルコールで消毒しているとのことで、実際に使用するのは透明なシートではなく、手前から2番目の白いシートです。
これを使うことで、イチゴが出来た時に、イチゴが土に触れず、清潔さを保つことができます。
この写真は先ほどの白いシートをめくった中の様子です。
写真の上のほうに、左上から右下に向かって切れ目があるのが確認できると思います。これが土を入れる発泡スチロールです。
公設栽培のメリット
体への負担軽減
まずイチゴは地面に植えるのが一般的ですが、それは大変な重労働です。
イチゴは小さくて軽いから楽な仕事と思いそうですが、それは大きな誤解です。わたしにとっては地獄で、他の大きなメロンやスイカ、カボチャの方が楽です。
イチゴは表面が柔らかいため、言い方は悪いですが、乱暴に扱うことが出来ません。さらに1株あたりたくさんのイチゴが成りますが、全て同時に赤くなるわけではないからです。
何度も腰をかがめた状態で、作業をしなければいけません。イチゴの観光農園が流行っていますが、もし興味のある人は絶対にイチゴが高く設置されている農園に行きましょう。
お金を払って苦行をしたい人がいれば、地面に植えられているところに言ってみてください。私の言葉が理解できると思います。膝と腰が爆発します。
高設栽培のデメリット
コストが高い
こちらは観光農園に訪れる人や消費者には直接は関係ありませんが、間接的には関係あります。
この高設栽培のシステムは10m×100mで大体150万~1000万ぐらいかかります。さらに施工費などがかかります。
ここにはハウス代が入っていないので、さらに300万~500万はかかります。資金を回収するのに、安定して収量を稼げれば、3年ぐらいで収まるでしょう。
この金額は生産者が負担するものですが、当然生産には暖房費や蜂代などがかかるので、利益を出すために価格に転嫁せざるを得ません。
イチゴの観光農園は1人1000円~1500円がメインですので、頻繁には行けませんね。
イチゴの高設栽培をやるかどうかは分かりませんが、二酸化炭素を排出して光合成を促進する機械、自動で遮光するカーテンなど自動化が進んでいます。
たくさんのものを見学し、体験するのは経験になると思うので、今年もたくさんのところに顔を出して行きたいと思います。